○犬の肥満細胞腫とは?
○発見と診断について
○ 診断後の対処について
○まとめ
○犬の肥満細胞腫とは、犬の皮膚や皮下に多くみられる悪性の腫瘍です。
同じ肥満細胞腫でも、手術で治ってしまう悪性度の低いものから、急激に進行する悪性度の高いものまで、いろいろなパターンがあります。
身体の中にある免疫細胞の一つである「肥満細胞」が、腫瘍化して、無制限に増殖し、皮膚や皮下にできものを形成したり、リンパ節や肺などに転移してしまう病気です。
(注:肥満細胞といっても、肥満「太り過ぎ」の原因になる細胞ではありません。)
○発見は、犬の皮膚または、皮下にしこりをみつけたといって、飼い主さんが、相談にこられます。診断としては、針生検、または、切除して、病理検査を行ない診断します。
犬の皮膚にできる肥満細胞腫は、基本的にすべて悪性です。その悪性度は、3段階(グレード分類)にわけられ、悪性度によって、必要な治療が変わってきます。
以下にまとめたものを記載します。
悪性度 転移
グレード1 低い 起こしにくい
グレード2 高い 起こすことあり
グレード3 非常に高い 起こしやすい
再発
グレード1 起こしにくい
グレード2 起こすことあり
グレード3 起こしやすい
治療
グレード1 通常手術のみ
グレード2 手術
状態によって
抗がん剤、放射線療法
グレード3 手術+抗がん剤、
状態によって放射線療法
○診断後は、グレード1 の場合は、手術で切除することをお勧めしています。
グレード2 の場合は、手術で切除することをお勧めしますが、再発や転移を起こしてしまう事があります。注意してください。
グレード3 の場合は、基本的に手術で切除して、抗がん剤や自然療法をお勧めしていますが、進行が早いため、状態をみながら相談していく形になります。
完治は、難しいです。
○まとめ
上記のように肥満細胞腫の場合は、グレードによって対処が、違ってきます。
基本的には、手術でとって、病理検査をして対応していくと思ってください。
グレード1 であれば、手術後 通常の生活を送ることが、できます。
グレード2又は、3の場合は、飲み薬や注射等での延命効果を期待する治療となります。