急に痛みを訴えた、ふらついている、腰が抜けた、という愛犬を慌てて病院へ連れて行った結果、椎間板ヘルニアと診断され、「手術しかない」といきなり言われると、愕然としますよね。
ヘルニアの程度によっては「原因となるヘルニア部分を取り除く手術を受けなければ、症状が改善しない」こともあります。とはいえ、基礎疾患がある、高齢等で麻酔のリスクが高くなると手術のハードルが上がるのも事実です。
手術をしても、神経や血液の流れが悪いことによる硬結で、思うように回復しないこともあります。
アイ動物病院では症状の程度が軽い子から、術後の回復がよくない子まで、鍼治療(IPC式・鍼治療)を中心とした代替療法を実施しています。獣医師、飼い主、愛犬の3者協同アプローチにより、それぞれの愛犬に会った治療法を提案します。
犬の椎間板ヘルニアのグレード(1〜5)ごとの症状
犬の椎間板ヘルニアは、痛みの程度、動き・歩行。麻痺の程度・自力での排尿排便など症状の程度によって「グレード1〜5(1軽〜5重)」に分類します。時間経過での進行もあり、症状の重さ(グレード1〜5)で、治療方針が変わります。このグレードは身体検査、神経検査に加え、画像診断などの結果を元に確定します。
確定診断には、MRI検査が、必要となります。
なお、アイ動物病院では、犬の椎間板ヘルニアの「痛み」と「麻痺」の症状に対して、IPC式・鍼治療をふくむ適切な判断・対応をしていきます。
各グレードの主な症状は次の通りです。
グレード1の症状:軽度。痛みはあるが歩ける。背中を丸めている。動きがゆっくりになった。
歩行・排便・排尿にはほぼ影響なく、抱き抱える時に痛みを訴えたり、背中をさわると嫌がる、運動を避けようとする。震えるなどの軽度症状。
グレード2の症状:ふらつく。朝、起きてすぐの足取りが重い。階段を嫌がるようになった。
後ろ足の筋肉の低下で歩行が不安定化。足をひきずる・びっこをひく・フラフラ歩く。階段を登る事を嫌がったり、背中の圧迫では明らかな不快感。
グレード3の症状:立つことはできるが、歩けない。
後ろ足を動かすことができなくなり歩行に大きな支障。立つ事ができない。背中の圧迫でかなりの痛み。一部の犬は麻痺。動物病院にいくことをおすすめします
グレード4の症状:麻痺のため立てない。自分で排尿できない(たれ流しも含む)
非常に激しい痛み。後ろ足の麻痺が一般的、歩行は不可能。立つ事もできない。自力での排尿・排便が難しく尿や便を垂れ流すように。温かくしてすぐ動物病院へ。
グレード5の症状:痛みを全く感じない(足先をつまんでもわからない)
非常に激しい痛み。呼吸が荒くなることがある。深部痛覚がなくなり後ろ足は引きずり歩く。
自力では排便排尿はできない。進行性脊髄軟化症での死亡も。
*この場合は、夜間救急・動物病院へ急いでください。
犬の椎間板ヘルニアの説明(重症度・治療選択肢など)
犬の椎間板ヘルニアのグレードごと「回復率(目安)」について
犬のヘルニアにも「自然療法(鍼治療)」を、ひとつの選択肢として提案しています。
*下記の回復率は実績ベースのものですが、個別の状態によりますので、あくまでも目安としてお考えください。
犬のヘルニアは、痛みの程度、動き・歩行の麻痺の程度・自力での排尿排便など症状の程度によって「グレード1〜5(1軽〜5重)」に分類します。時間経過での進行もあり、症状の重さ(グレード1〜5)で、治療方針が変わります。
実績ベースでの回復率目安としては、グレード1・2は、適切な治療で90%以上が、回復。
グレード3・4は、一般的には、外科手術での対応ですが、当院(アイ動物病院院)ではIPC式・鍼治療で、70〜80%で改善。
グレード5では、外科手術でも60%。
アイ動物病院の3者協同アプローチ
獣医師:詳細な診断と鍼治療を中心とした代替療法の提案
飼い主様:日常生活での観察と管理、リハビリのサポート
愛犬:定期的な来院治療、自宅でのリハビリ
この3者の密接な連携により症状改善を目指します。
IPC式・鍼治療を中心とした代替療法の利点
- 低侵襲で副作用が少ない
- 即効性がある場合が多い
- 飼い主様の負担軽減(介護の必要性低下)
- QOL(生活の質)の維持・向上
ヘルニア時の早期発見・早期対応の重要性
犬の椎間板ヘルニアは、グレード1-2の段階で適切な対応をすることで、重症化を防ぐことができます。
その後、定期的な健康チェックと予防ケアが重要です。
【症例・治療例】9歳ダックスフンド・椎間板ヘルニア(グレード4)
- 初診時:後ろ足完全麻痺、失禁あり
- 治療:集中的な電気鍼治療(2週間で10回)、ホームケア指導
- 結果:3週間後に自力歩行可能、5週間後にほぼ通常の生活に復帰
その他、治療前後の参考動画
アイ動物病院は、ヘルニアという困難な状況でも、愛犬とご家族の生活の質を最大限に維持できるよう、最新の代替療法と温かいケアを提供いたします。手術という選択肢だけでなく、新たな可能性を一緒に探りましょう。
初診は「お電話でのご予約のみ」となります。(完全予約制です)