なんだか歩き方がおかしい、ふらふらしている。じっとして震えていて食欲がない。
抱っこしたらキャンと鳴く。腰が抜けてしまい立ち上がれなくなった。
そんな症状で、動物病院を受診したら・・・
椎間板ヘルニアの診断と治療について
症状の程度(グレード)をみたり、レントゲン検査の結果として「椎間板ヘルニア」また「椎間板ヘルニアの疑い」とされることがあります。その後「確定と診断するための検査」としてMRI検査を受けて、病気の状態(どの程度のヘルニアがどこにあるのか)をはっきりさせます。
MRI検査の結果によって、内科的な投薬による治療(保存療法)や外科手術(根本療法)を受けることになります。(MRI検査のできる病院は、限られています。)
MRI検査や、外科手術の時の「麻酔」が気になるのですが・・・
動物の場合、MRI検査でも「動かないようにするため、軽い麻酔薬を使う」ことになります。
外科手術の時は、しっかり麻酔をかけなければなりません。
今は昔と違って、安全性の高い麻酔薬を使用することが多く、手術中の動物の状態もモニター機でチェックしながら行われています。
流れとしては、まず手術前に、ヘルニアになってしまった動物の健康状態(心臓機能や内臓機能、体力など)を細かく検査します。そして「手術に耐えられると判断された場合」は、手術を行う事になります。
程度によりますが、椎間板ヘルニアは、手術で「ヘルニア部分を取り除いてしまうこと(根本療法)」が、一番の治療法になりますので、手術に耐えられるのであれば、手術を受けるのが良いと思われます。
犬のヘルニアで外科手術を受けたら、元の状態に戻るのでしょうか?
手術前の説明で「回復率は、70~80%前後」とお話されると思います。(先生によって若干前後します。)
手術・入院後に帰ってきたのに歩けないのは、手術・入院で、体力や筋力が低下してしまうことが原因と思われます。そのため病院からは、歩けるようになるためにリハビリをするよう指導があります。
…とはいえ、動物のリハビリを一人で抱え込んでしまうと、飼い主さん自身の負担が大きくなり、体力的にも精神的にもつらくなってしまいます。
少しでも早く回復を。「リハビリ促進」の鍼治療・レーザー治療
当院では、犬のヘルニア手術後のリハビリの一環としても、鍼治療やレーザー治療を行っています。
「リハビリ促進治療」において、鍼治療は、週に1回、30分程度を計4回行います。4回目の終了後に「その後の治療方針」をご提案します。
なお、ヘルニアへの鍼治療は「ツボに鍼を入れて、電気を流す」もので、痛がることはほとんどなく、気持ちよさそうにしています。
また「レーザー治療は、痛みを伴う場合におすすめ」で、血行を改善し、痛みを和らげます。
鍼治療と鍼治療の間でも、受けることができます。レーザーによる痛みはありません。
「高齢で、ヘルニアだけど手術を受けられない状況」で、鍼治療をしたら効果はあるのでしょうか?
犬に椎間板ヘルニアを発症したのが、すでに高齢。そのため体力がなく手術することが出来ない。
心臓機能や内臓機能が悪いため、麻酔を使用する検査は難しい。
「ヘルニアかも」と言われたが、麻酔をかけたくないので確定診断は出ていない。
そして、手術をするまでの重い症状ではない。
そんな場合に、鍼治療やレーザー治療を試してみる価値はあります。
また、腰痛や首痛は、ヘルニアの特有の症状ではありません。加齢に伴う症状(動きがゆっくりになった、立ち上がるのに時間がかかるなど)も、ヘルニアの症状と似ています。
いずれにしても「今ある痛みを取ってあげること、血行を良くして、体全体のバランスを良い状態にすること」で、少しでも元気を取り戻せると実感しています。
鍼治療、レーザー治療は、初期症状や、再発防止・予防としても大丈夫ですか?
「前にヘルニアの手術をして、回復したが、寒くなると、痛みが出たり歩様が遅くなったりする」など。
軽い症状が出はじめたり、高齢になったせいか自力で歩くことはできるが、ふらつくことがある。
走ったりもできるが歩く速度が遅くなった気がする。そんなとき鍼治療やレーザー治療を予防的に行うことで症状の改善が期待できます。早めに対処してあげることで症状を軽くし回復を早めます。また当院では血行を良くするマッサージ法もレクチャーしています。
鍼治療、レーザー治療をもっと知りたい、相談してみたい方は
アイ動物病院は「完全予約制」となっております。
初診の場合は(ご相談の場合も)お電話のみで予約受付となります。
その際、現在飲ませているお薬や注射剤などがあればお聞かせください。
よくある質問
Q: ヘルニアの予兆があった場合、どのくらい急いで病院に行くべきですか?
A: 痛みや呼吸困難などの緊急症状がなければ、1-2日以内の受診をおすすめします。ただし、症状が急変した場合はすぐに受診してください。
Q: ヘルニアの予兆と肥満による腹部の膨らみは、どう見分けられますか?
A: ヘルニアの場合、特定の部位に限局した柔らかい膨らみがあることが多いです。一方、肥満は全体的な膨らみになります。ただし、素人判断は難しいので、気になる場合は獣医師に相談するのが賢明です。
Q: 一度ヘルニアになった犬は、再発しやすいのでしょうか?
A: はい、再発のリスクはあります。特に、根本的な原因(例:肥満、過度の運動)が改善されていない場合は注意が必要です。定期的なチェックと適切な生活管理が重要です。