犬がたくさん水を飲むようになったとき、暑さのせいだろうとそのままにしてしまってはいませんか?急な飲水量の増加には、ストレスや病気が原因となっていることもあります。
今回は犬が水をたくさん飲むようになったときに考えられる原因と、その対処法について紹介していきますので、愛犬の様子が気になる方はぜひ参考にしてください。
犬が水をたくさん飲む原因
犬が水をたくさん飲む理由は、ただ喉が渇いているだけとは限りません。体の状態や、食事の変化、ストレスや服薬によるものなど、さまざまな原因が考えられます。注意深く観察して原因を探してみましょう。
体が脱水状態にあるための多飲
暑い時期に多いのが、脱水症状による飲水量の増加です。運動をいつもよりたくさん行ったり、外で長時間過ごしたりした場合には水をたくさん飲むようになります。
とくに犬が大きく口を開けて呼吸をしているときは体の熱を外に出そうとしているサインでもあり、より多くの水を飲むようになります。
食事の変化による多飲
食事をウェットフードからドライフードに変更した際にも、水を飲む量が増えることがあります。また、塩分が多く含まれている食事を与えた場合も、喉の渇きから多飲につながります。
ストレスが原因の多飲
環境が変わったり、飼い主と過ごす時間が極端に少なくなったりするなど、大きなストレスを感じている場合にも水を飲む量が増える場合があります。飼い主の気を引こうとするために、水を欲しがる仕草をすることも多いです。
服薬が原因の多飲
アトピーや皮膚炎の治療に使われるステロイド剤などの中には、尿の量が増えるものもあり、その結果、必然的に飲水量も増えるということが起こります。薬をもらう際にそのような作用があるかどうか、事前に確認しておくと安心です。
病気が原因による多飲も!
ストレスや食事の影響ではなく、病気が原因で犬が水をたくさん飲む場合もあります。ここでは多飲から考えられるいくつかの病気について説明していきます。
糖尿病
水をたくさん飲むことから疑われる病気のうち、代表的なものが糖尿病です。とくにシニア期の犬に多い疾患で、インスリンの低下によって血糖値が上昇していきます。
多飲のほかには、多尿や体重の減少、下痢や嘔吐などの症状が見られることもあります。バランスの取れた食生活や、適度な運動が糖尿病の予防に効果的です。
慢性腎臓病
気づいたときには症状がひどくなっていることが多い慢性腎臓病。こちらは血液をろ過し、老廃物を排出する腎臓の機能がうまく働かなくなってしまう病気です。
糖尿病や高血圧と関連して発症する場合もあり、さらに進行すると腎不全、尿毒症などを引き起こします。多飲多尿や尿の色が薄くなるなどの症状からはじまり、病気が進行するにつれて、嘔吐や貧血、歯肉が白っぽくなるなどの症状が見られます。
クッシング症候群
クッシング症候群とは、コルチゾールというホルモンが過剰に分泌されることから、さまざまな症状が現れる病気です。とくにシニア期の犬に多く見られる症状で、さらに老化現象にも似ているため、発見しづらいのも特徴の1つです。
多飲多尿のほかに、左右対称に毛が抜ける、お腹がふくれる、呼吸が速くなるといった症状が見られます。発見が遅れてしまうと肺血栓症や糖尿病、膵炎などの合併症を引き起こしてしまう可能性がありますので、早めの対処が肝心です。
子宮蓄膿症
避妊手術をしていないメス犬がかかりやすいのが子宮蓄膿症です。細菌が膣から子宮に入り込んでしまうことによって起こる病気で、とくに出産を経験していないシニア期の犬は発症のリスクが高まります。
多飲多尿のほかに、食欲の低下、腹部の膨張、隠部からの膿といった症状が見られることがあります。進行してしまうと尿毒症や腎不全、子宮の破裂にともなう腹膜炎を起こすリスクがあり、こちらも早期発見が大切です。
飼い主ができること
犬が水をたくさん飲むようになった場合、飼い主としてどんなことをしなければならないのでしょうか。
普段からこまめに飲水量を確認して、異常が見られたときは早めに病院に連れて行くことをおすすめします。
本当に水を多く飲んでいるのかどうか確かめる
犬が1日に必要な水の量は、最低でも体重×50mlといわれています。多飲の目安となるのは、体重1kgあたり100ml以上飲むという状態が長く続いている場合です。
これらを正確に把握するため、水の量を確かめてから与えるようにし、その残った量から1日の摂取量を記録してみましょう。普段から飲水量をこまめに確認しておくことで、変化に気がつきやすくなります。
病院に連れて行く
目安となる量よりも、飲水量が増えている状態がしばらく続く場合には、速やかに病院に連れて行くようにしましょう。また、多飲のほかにも病気の兆候が現れていないかどうか、常に注意深く観察することも重要です。
まとめ
今回は、犬が水をたくさん飲むようになった場合に考えられる原因と、その対処法についてご紹介しました。犬の体調の変化にいち早く気づいてあげるのが飼い主の役目です。飲水量をはじめ、さまざまな異常に注意しながら愛犬と過ごすようにしましょう。
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