〇犬・猫に比較的多く見られる悪性腫瘍
比較的、多く見られる悪性腫瘍には、乳腺腫瘍、リンパ腫、メラノーマ、肥満細胞腫、扁平上皮癌 などがあります。特に発生率の高いのが「犬・猫の乳腺腫瘍」と「犬のリンパ腫」です。
前回は「犬猫の乳腺腫瘍」についてお話しましたが、今回は「犬のリンパ腫」についてお話します。
〇犬のリンパ腫とは?発見。症状と発生率
〇検査方法と診断について
〇リンパ腫にならないためには?予防法
〇治療方法について
〇まとめ
〇犬のリンパ腫とは?
リンパ腫は、一般的に言われている「癌」の仲間からは、少し異なる腫瘍になります。
この病気は、血液中にあるリンパ球という細胞が、どんどん増えてしまう病気です。
典型的な症状は、リンパ節が、腫れてくるということになります。
体の中には、血管と同じようにリンパ管というものが、あります。そして、リンパ管の中には、リンパ液が、流れていて、ところどころにリンパ節が、あります。そのリンパ管の中を流れているリンパ球が、どんどん増えていき、そのことによって体中にあるリンパ節が、腫れてくる病気です。
よって、どこのリンパ節が、腫れるのか?によって、症状が違ってきます。
それぞれの特徴的な症状と発症率の違いを示します。
型 割合 主な症状
多中心型 80% 体中にしこりができる
消化器型 7% 嘔吐 下痢 食欲不振
縦隔型 5% 呼吸困難
皮膚型 5% 皮膚炎のような症状
その他 3% 腎臓やその他の場所にできる
このようにリンパ節の腫れる場所によって、様々な症状が、現れます。
進行していくと、肝臓、脾臓、骨髄内へ腫瘍細胞が、入り込んでしまい、動物本来の機能を低下させます。
無治療の場合の平均余命は、1〜2ヶ月と言われています。
〇検査方法と診断について
犬のリンパ腫の検査は、細胞の検査を行います。
針吸引または、麻酔下による切除によって取り出した細胞の病理検査で診断します。
その他、レントゲン検査や超音波検査によって、他の臓器に転移していないか?どうか?調べることもあります。
〇リンパ腫にならないためには?予防法
犬のリンパ腫の予防法は、残念ですが、ありません。
ある日、アゴの下の下顎リンパ節や膝の裏側の膝下リンパ節が、腫れてくることによって気がついたり、元気・食欲がない、疲れやすい、呼吸が苦しそう。というような症状から、病院に来られる方が、多いです。
このようなことに気がついたら、なるべく早く動物病院にご相談ください。
〇治療方法について
犬のリンパ腫の治療法ですが、一般的には、抗ガン剤を使用します。
犬のリンパ腫は、比較的抗ガン剤が、効果的に作用します。しかし、副作用や再発もある程度覚悟しなくては、なりません。
当院では、リンパ腫の治療にも自然療法を提案しています。
元気、食欲(QOL クオリティーオブライフ)を維持しながら、少しでも長生きしてもらう。副作用のほとんどない治療法です。
個体差は、ありますが、そこそこ良い結果を得ています。
〇まとめ
犬、猫の現在の状態や、年齢、今までの病気の有無など、かかりつけの先生とじっくり相談して治療していくことをお勧めします。
体に優しい治療をご希望の場合はお問合せ下さい。