犬の段階的な成長と、体の変化、病気を知って備えておく
愛犬との人生には喜びも多いです。同時に、責任も伴います。犬の成長段階、年齢で起こる変化、病気を理解することは、飼い主さんが犬と共に幸せな時間を長く過ごす支えとなる「重要な第一歩」です。
アイ動物病院は、西洋医学と東洋医学を組み合わせた独自のアプローチで、従来は「治療が難しい」とされる病気の回復や症状緩和に、積極的に取り組んでいます。しかし、病気の治療だけでなく、事前予防・早期発見に重点を置いています。
治すことが難しいものはやはり難しく、重症化する前の日常からの健康づくりが、やはり大切だからです。
そこで「飼い主さん・ペット・動物病院の3者協働」での「安心未病ペットライフ」を掲げて、飼い主さんに必要な情報をお渡しすべく取り組んでおります。
このページでは、基礎情報として「犬の成長段階ごとの特徴、身体の変化、ケアのポイント」をご紹介します。
その後「成長段階ごとに、よくみられる病気と、アイ動物病院の治療アプローチ(例)」をご紹介します。
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成長段階ごとの「身体の変化」「ケアのポイント」などをご紹介
幼年期:誕生~3週目(授乳期)、4週目~10週目(離乳期)
身体の変化:目が開く(生後2週)、歩き始める(3~4週)歩き始める。乳歯が生え始める(4週頃)
ケアのポイント:適切な栄養摂取。社会化(3~12週が重要)。
生後2か月を過ぎたら、混合ワクチン接種(1回目)
ここで重要なこと:
この段階は、繁殖したブリーダーなどが子犬を育成していますが「飼い主さんにも、全体の流れを参考にしてもらえれば」と記載しました。この先、治療だけでなく「飼い主とペットが、元気に安心して暮らす」ことをサポートする情報を得てください。(信頼できるブリーダーや、治療と同じ以上に、生活に重きをおく動物病院など)。
成長期:3ヶ月~10ヶ月
身体の変化:急速な身体的成長。第二次歯が生える。適切な運動と訓練が大事な時期。
パピー用(成長期)のご飯は高栄養のものなので、成長していくと共に食生活を変えていく。
ケアのポイント:混合ワクチン接種2回目(生後3か月すぎ)。狂犬病の予防接種(生後91日以上は義務)
フィラリアの予防(駆除)
※混合ワクチン、狂犬病の予防接種、フィラリア予防などは、以降「毎年」おこないます。
ここで重要なこと:避妊、去勢手術の検討。発情期特有の行動を抑えるだけでなく、生殖器や性ホルモンに関わる病気を妨げます。長生きによって高齢時に重病が発生すると、身体の負担を考慮する必要があるなど、リスクが高くなります。その観点で、避妊去勢の手術は重要な選択肢です。手術は成長〜成熟期の前後(半年~1歳が理想。高齢になると麻酔リスクが生じるため)
成犬期:1歳~6歳
身体の変化:身体的成熟、行動の安定。肥満や泌尿器系の病気に注意。
※避妊去勢をすると、ホルモンバランスがくずれ、太りやすくなる。
ケアのポイント:この時点で、特に「肥満」に注意。食事と、運動。
人間同様「肥満」は、色んな病気を引き起こします。飼い主さんも、ぜひワンちゃんと一緒に健康習慣を。
膀胱炎や尿石症(体質とおしっこのPHが影響)。おしっこの回数が多い時、キラキラしている時は、注意が必要。
水をよく飲むことと、検査後にわかるPHを中性に整える。
ここで重要なこと:手術をしていない場合は、避妊、去勢手術の検討(高齢リスクをなくしておく)
健康診断。7歳の前に「健康状態の基準となる数字を把握」するためにしていくとよいです。
(高齢の初期=7歳〜の健康維持の指標にできます)
高齢の初期:7歳~
人間年齢の目安:小型犬なら「44歳」大型犬なら「54歳」
年1の健康診断は「症状がでない大病を、初期発見するため」と考え、実施してください。
身体の変化:加齢の影響がではじめる。視力・聴力の低下。運動能力の低下。足腰の衰え。認知機能の低下。
ここで重要なこと:注意を要するタイミング。ここから特に「病気の初期サイン」を見逃さないこと。
歯周病・関節疾患・白内障などが、高齢犬に多い病気の初期サイン。毎年行っている、ワクチンとフィラリアの予防も重要になってきます。抵抗力が弱まり、病気に感染しやすくなるためです。
本格的な高齢期:10歳~
健康診断を「重病を早期発見する必須チェック」と考えて実施します。犬は人間より加齢(時間による老化)が早いため、この段階は年2回がベターです。
身体の変化:年々より明確に、加齢の影響があらわれます。当然、何かしらの体調不良も発生してきますが、同時に「体の状態を考えたケア・体に負担がかからないケアが必要」となります。
関連ページ:
- [定期健康診断の予約をする]
- [シニア犬の健康管理について詳しく知る]
- [犬のヘルニア予防と早期発見について学ぶ]
愛犬と共に歩む人生の道のりは、喜びと責任に満ちています。犬の成長段階や年齢による変化、そして起こりうる病気を理解することは、長く幸せな時間を過ごすための重要な第一歩です。
アイ動物病院は、「安心の未病ペットライフ」の実現をサポートします。愛犬の一生を通じて、健康で幸せな生活を送れるよう、各成長段階での特徴と注意点をご紹介します。
成長段階での病気と、アイ動物病院の治療アプローチ例
成長段階でよくみられる病気と、参考までにアイ動物病院の治療アプローチ例も記載します。
1. 幼年期~成長期:さまざまな感染症(混合ワクチン接種)など
子犬は免疫系が未発達で様々な感染症にかかりやすいため、適切なワクチン接種が重要です。
生後2か月を過ぎた頃は、繁殖者が1回目の混合ワクチンを接種しているかと思います。
2回目の混合ワクチン接種は「生後3か月すぎ」となります。子犬を引き渡しされるタイミングなどで説明を受けるかとは思いますが、忘れずに接種してください。
アイ動物病院での治療アプローチ例:
端的にいえば、この段階は「はじめてだらけで、よくわからない」といった状況ですので「どうすればいいか」を、スムーズにガイドしますので、ご安心ください。
もちろん「2頭め(以降)だから大丈夫」という方にも、スムーズにご対応します。
・混合ワクチンについて電話で予約したい時はこちら(完全予約制)
・アイ動物病院のアクセス:さいたま市(大宮区)で子犬の混合ワクチンを打ちたい
例えば、1回目の混合ワクチン接種を考慮し、最適な混合ワクチン接種を選定していく必要があったり、2回目の接種時期は「狂犬病の予防接種(生後91日〜の義務)」と時期が被ったりと、何かと情報が混在します。
お電話予約でのご相談では、そのような情報をスムーズに整理できます。
以下は、混合ワクチンに関するページです。ご参考に。
2. 成犬期(1〜6歳):アレルギー(アトピー性皮膚炎)
犬が1〜6歳の時期に、最近ふえている病気が、アレルギー(アトピー性皮膚炎)です。
アレルギーになりやすい体質の犬が、環境中の抗原(アレルゲン)を吸収することで発症します。
完治は難しいですが、適切な管理で症状を緩和できます。
原因について、まだ明らかでないことも多いのですが、遺伝的なものが関係しており、食べ物だけでなく、ホコリ・ダニ・ノミ紫外線などによって、皮膚に刺激が起こることで痒みがでてしまいます。免疫機能の異常や皮膚バリア機能の低下によっておこるため、犬の場合は、年齢を重ねることによって、悪化していく傾向が見られます。
治療法として「痒みを抑える」点では、ステロイド剤が有効ですが、副作用の問題がありますので、なるべくステロイド剤の使用を少なくすること、もしくは使用しない治療法に工夫が必要です。
この点で、アイ動物病院では、薬用シャンプー・サプリメント(必須脂肪酸・乳酸菌)・ホモトキシコロジー(毒素排出)・オゾン療法などを併用、有効な方法を模索してきました。
現在は、1か月に1度の注射(サイトポイント)が、安定して症状緩和をもたらすことがわかっています。
アトピー性皮膚炎は、完治させることが難しい病気ですが、うまく管理してあげることで症状も緩和され、楽しい毎日を送ることができます。
3. 高齢期(7歳〜):椎間板ヘルニアと、がん(悪性腫瘍)
椎間板ヘルニア
骨と骨の間のクッション(椎間板)が圧迫されて飛び出し、神経を圧迫する状態。
特に、後足に影響する腰のヘルニアが多い。(少なめだが、前足に影響する首のヘルニアもある)
高齢犬、特に、小型犬に多く見られるのがヘルニア症状です。
状態と症状のレベルで、グレード1〜5があり「痛み」と「麻痺」の2つの要因・症状に対して、どのような治療で対応していくかがポイント。また当然ながら、治療に関しては臨床数も重要。
(このためアイ動物病院は、ヘルニアにおいては鍼治療に特化し、手術が必要な場合、そちらが得意な別の動物病院をご紹介しています)
アイ動物病院での治療アプローチ例:
電気鍼治療(ほとんど苦痛を伴わず、リラックス):グレード1・2の初期症状〜グレード3・4に対応。
痛みが強い場合、半導体レーザー治療。また必要に応じて、西洋医学の治療薬(副作用を考慮し、慎重に使用)
犬のヘルニアへの鍼治療は、特に臨床があり、以下のページに詳しく記載してあります。
・セカンドオピニオン:かかりつけ医で「ヘルニア」「手術しかない」と言われた
・QOLを高める自然療法(治療)犬のヘルニアのグレードと鍼治療について
ヘルニアは「なった瞬間にすぐわかる」と軽度での初期対応がきいて、回復を促進しやすくなりますので、以下も一度ご覧いただき、イメージを掴んでいただくと良いかと思います。
・犬のヘルニアを未然に防ぎたい
・これって、ヘルニアの予兆!?
がん(悪性腫瘍):リンパ腫
リンパ球が「がん化」してしまう病気で、大きな腫瘍を作らない血液の癌です。
完全に治すことは難しいですが、延命は可能です。
リンパ腫の一般的治療法は、抗がん剤です。全てではありませんが、抗がん剤の効果が認められます。抗がん剤が効くといっても一時的なもので再発もあります。
ステロイド剤でも、ある程度状態を抑えられることもあります。リンパ腫は、全身に広がってしまうガンなので、手術では対応出来ません。
アイ動物病院の場合は、自然療法を併用することで「リンパ腫の進行を抑える治療法」も提案しています。
…というのは、抗がん剤は免疫力を低下させ、副作用が起こる場合があるためです。
ステロイド剤も含めて、飼い主さんと良く相談をしてから、使用するようにしています。
リンパ腫のいくつかのパターン:
多中心型:一番多いタイプです。アゴや腋下のリンパ節等、体中のリンパ節が腫れてきます。
皮膚型:皮膚が赤くなる、ただれる。ただの皮膚炎だと思っていると、全身に広がり急速に悪化してきます。
縦隔型:胸腔内のリンパ節が腫れ、胸水が溜まってきて、呼吸困難になる。
消化器型:腸の周辺のリンパ節が腫れてきます。食欲低下、嘔吐や下痢を繰り返して体重が減少。リンパ節が、大きくなってくると腸閉塞を起こすことがあります。
乳腺の腫瘍(いわゆる、乳がん)
癌(悪性)ではない良性のものも。犬の場合は、約6割が悪性と言われています。
悪性か良性かの判断は見た目では難しいですが、急に大きくなってきたら悪性だと思ってください。
手術して切除した上で、取った細胞を病理検査することで「悪性か・良性か」判断ができます。
見た目は小さくても、すでにリンパ節や肺等に転移していることもあります。
アイ動物病院では、乳腺腫瘍の進行を遅らせQOL(予後の生活の質)を維持する選択肢に、免疫サプリメントを与えることを提案しています。
アイ動物病院での治療アプローチ:
丸山ワクチン。免疫サプリ。ホモトキシコロジー(毒素排出)
必要に応じて、抗がん剤やステロイド剤(副作用を考慮し、慎重に使用する)
「安心未病ペットライフ」を3者協働で
安心未病ペットライフは、飼い主さんとペットとの3者協働が、かかせません。
その基礎情報として、このページでは「犬の成長段階ごとの特徴、身体の変化、ケアのポイント」と「成長段階で、よくみられる病気、アイ動物病院での治療アプローチ(例)」をご紹介しました。
あなたと愛犬との幸せな時間を、より長く、より安心なものにするため、アイ動物病院は「ケアドクター・ケアスタッフ」として、常にそばにいます。
月のお知らせメールをお受け取りいただくと共に、1年に1度の混合ワクチン接種。
7歳以降では「症状がでない重病をチェックできる定期健診」をご利用いただき、安心未病のペットライフにお役立てください。