「愛犬が突然歩けなくなってしまった」「病院でヘルニアのグレード4と診断され、高齢だから手術は避けたいけれどどうすればいいの……」とお悩みの飼い主様は非常に多くいらっしゃいます。当院には、そのような深い不安を抱えたわんちゃんと飼い主様が、日本全国からご来院されています。
当院では、体に大きな負担がかかる手術だけでなく、わんちゃんの体に優しい「鍼(はり)治療」という選択肢をご用意しています。西洋医学の化学療法はもちろんのこと、ホモトキシコロジーなどの自然療法も組み合わせ、単に病気を治すだけでなく、わんちゃんが毎日を心地よく過ごせる「QOL(生活の質)」を何よりも大切にした治療を行っています。
今回は、突然昨日から急に歩けなくなってしまい、当院で鍼治療を受けられたミニチュアダックスフンドの「アーヤちゃん」の治療日記をご紹介します。シニア期のわんちゃんが持つ自然治癒力を、優しい治療で引き出していったプロセスをご紹介します。
【症例概要】来院時の症状とヘルニアのグレード
犬種:ミニチュアダックスフンド
年齢:2011/7/20(治療時年齢:14歳9ヶ月)
診断名:椎間板ヘルニア
来院時の症状: 来院前日から突然足が動かなくなり、歩けなくなってしまいました。
初診時症状レベル:★★★★(グレード4)
グレード1〜2: 痛みはあるが、自力で歩ける。内科療法(安静)が中心。
グレード3: 足に力が入らず、ふらつく。ここから手術が選択肢に入ります。
グレード4: 自力で立てない。排尿も困難になる。※至急、精密検査を検討することを推奨
グレード5: 深部痛覚の消失、足を強く挟んでも痛み反応が見られない状態。※一般的に緊急性が高く、早期の外科判断が検討されます。
今回の治療内容
アーヤちゃんには、神経の回復を促し、筋肉の緊張を和らげるための鍼(はり)治療を継続的に実施しました。2026年4月28日からスタートし、約3日〜2週間(週1回前後)の間隔のペースでじっくりと治療を重ねました。
| 通院時期 | 状態の変化とプロセス |
| 2026/4/28(初診) | 昨日から歩行不可。初診時は自力起立・四肢での前進が困難な状態から治療を開始。 |
| 2026/5/13(2回目) | 治療前はまだふらつきがありましたが、治療後は立たせてあげるとしっかり立っていられました。 |
| 2026/5/16(3回目) | 右前肢のナックリングが治まり始め、支えがあれば診察台の上でしっかり立てる時間が延長。 |
| 2026/5/20(4回目) | 各足への負荷や反応に回復傾向が見られ、診察台の上で自ら立ち上がる嬉しい変化が確認できました。 |
治療前と治療後の変化
変化のポイント
歩行(速度): 治療前は動く方の足に頼り、うさぎ跳びみたいにぴょんぴょん飛び跳ねてしまうような状態。
治療後は神経が通いはじめて、自分の意思で両足とも動かせるよう回復
表情: 歩けることを自慢したい!というような明るい表情
反応: 最初は触っても痛みがないから反応しなかったが、足裏のマッサージで反応を示すようになった
獣医師(新井院長)からのメッセージ
アーヤちゃんは14歳9ヵ月という大切なシニア期に、突然グレード4のヘルニアを発症してしまいました。
高齢のわんちゃんの場合、「麻酔や手術のリスクが心配」「できれば体にメスを入れずに治してあげたい」と切に願う飼い主様は少なくありません。そのため、当院の鍼治療を頼って、遠方からもたくさんのご家族が足を運んでくださっています。
当院では、ただ病気の症状を抑えるだけでなく、ホモトキシコロジーなどの自然療法も取り入れながら、その子が本来持っている自然治癒力を引き出し、痛みやストレスを減らして「QOL(生活の質)」を高めるアプローチを行っています。今回、アーヤちゃんが4回の治療で診察台の上で自ら立ち上がり、しっかりとした立ち姿を維持できるようになったのは、治療だけでなく、お家で飼い主様がマッサージや滑り止めなどの優しいホームケアを一生懸命続けてくださったおかげでもあります。
椎間板ヘルニアの回復スピードや変化の現れ方には、その子の年齢、体質、発症からの期間などによって個人差があります。すべての場合で完全に元の状態に戻ると言い切ることはできませんが、シニア犬であっても、手術を選ばずにQOLを保ちながら笑顔を取り戻せる可能性は十分にあります。
「もう手術しかない」と諦めてしまう前に、ぜひ一度、わんちゃんの体に負担の少ない優しい治療法について当院へご相談ください。大切なご家族に寄り添い、一番良い方法を一緒に考えていきましょう。