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【ヘルニア症例】カニンヘンダックスフンドのモモカちゃん、辛抱強い鍼治療で一歩ずつ歩みを進めた記録

愛犬が突然ヘルニアを発症し、「手術をしなければ治らないかもしれない」と言われて不安に押しつぶされそうになっていませんか? アイ動物病院では、体への負担が少ない「鍼(はり)治療」や自然療法を組み合わせ、わんちゃんのQOL(生活の質)を第一に考えた優しい治療を行っています。

当院には、手術を迷われている飼い主様や、諦めきれない想いを抱えた方が日本全国からたくさんご来院されています。

ヘルニアの回復プロセスは、すべてのわんちゃんが劇的に早く良くなるわけではありません。中には、時間をかけてじっくりと神経の回復を待つ必要があるケースもあります。今回は、後ろ足が動かなくなってから根気強く治療を続け、少しずつ足を動かせるようになっていったカニンヘンダックスフンドのモモカちゃんの治療経過をご紹介します。

【症例概要】来院時の症状とヘルニアのグレード

犬種:カニンヘンダックスフンド
年齢:2019/11/15(治療時年齢:6歳2ヶ月)
診断名:椎間板ヘルニア
来院時の症状: 後ろ足の感覚が薄れて引きずってしまい、前足だけを使って進む状態
初診時症状レベル:★★★★(グレード4)

グレード1〜2: 痛みはあるが、自力で歩ける。内科療法(安静)が中心。
グレード3: 足に力が入らず、ふらつく。ここから手術が選択肢に入ります。
グレード4: 自力で立てない。排尿も困難になる。※至急、精密検査を検討することを推奨
グレード5: 深部痛覚の消失、足を強く挟んでも痛み反応が見られない状態。※一般的に緊急性が高く、早期の外科判断が検討されます。

今回の治療内容

モモカちゃんには、神経の回復を促し、筋肉の緊張を和らげるための鍼(はり)治療を継続的に実施しました。2026/02/07からスタートし、週1回程度のペースでじっくりと治療を重ねました。 数回の治療で劇的に変化が出る子もいれば、モモカちゃんのように数ヶ月にわたって少しずつ変化が現れる子もいます。焦らずにわんちゃんの持つ力を信じて、根気強くアプローチを続けることがとても大切です。

通院時期状態の変化とプロセス
2026/2/7(初診)当時は後ろ足が動かず、前足の力だけで引きずって前進する状態
2026/2/14(2回目)まずは体に優しい刺激を入れて、神経の伝達や反応の土台を作っていきます。
2026/2/21(3回目)体を優しく支えてあげると、少しずつ両後ろ足で立てるようになる変化が見られ始めました。
2026/2/28(4回目)自宅でのマッサージや床の滑り止め対策、保温による温活ケアなども並行して治療を継続。
2026/3/7(5回目)治療を重ねることで、少しずつ体へ良い刺激を定着させていきます。
2026/3/14(6回目)検査において、後ろ足の神経に少しずつ反応が戻ってきている兆候を確認できました。
2026/3/21(7回目)反応が良くなり、人の手で立たせてあげると、自分の足で姿勢を維持して立てるようになりました。
2026/3/28(8回目)立たせた際、少し自力で歩こうとする素振りが見られました。
2026/4/4(9回目)四肢(4つの足)すべてを床につけて、短い時間ですが自分で体を支えることができました。
2026/4/11(10回目)治療後の状態を観察しながら、神経の伝達をさらに促すために継続して鍼治療を施します。
2026/4/18(11回目)軽く体を支えてあげることで、後ろ足がしっかりと前に出るようになってきました。
2026/4/25(12回目)支えがあれば少し立っていられる時間が増え、後ろ足を前後に動かす仕草や尾への反応も確認。
2026/5/2(13回目)焦らず治療を続けた結果、立たせたときに姿勢をキープできる時間が長くなってきました。
2026/5/9(14回目)右の後ろ足を少し浮かせた状態から、自分の力で元の位置にパッと戻せるようになりました。
2026/5/16(15回目)前足の動きが強いため、後ろ足を自発的に使う意識を高めるアプローチを根気強く続けます。
2026/5/23(16回目)体を支えると右後ろ足でしっかりと踏ん張れるようになり、鍼の後は少しだけ自立できました。
2026/5/30(17回目)人の手で立たせると自力で姿勢を維持し、支えられながら2〜3歩進もうとする素振りがみられました。

治療前と治療後の変化

変化のポイント

歩行(速度): 最初は後ろ足を完全に引きずって前足だけで進んでいましたが、辛抱強く治療を重ねたことで、支えがあれば自分の後ろ足でしっかり踏ん張り、数歩進もうとする姿勢が見られるまでに回復してきました。

表情: 体が少しずつ動かせることが嬉しかったのか、お腹を見せてリラックスした穏やかな表情や、甘える仕草が増えてきました。

反応: 当初は低下していた後ろ足や尻尾の神経反応が、鍼治療の刺激を重ねるごとに、徐々に良い反応を返してくれるようになりました。

獣医師(新井院長)からのメッセージ

椎間板ヘルニアを発症すると、「一刻も早く手術をしなければ二度と歩けないのでは」と焦ってしまいがちです。しかし、すべての症例で手術だけが唯一の正解というわけではありません。

今回のモモカちゃんは「グレード4」という状態で来院されました。この段階になると、深部の痛覚(深い部分の神経の感覚)が弱くなってしまっているため、治療初期は神経の反応がかなり薄い状態からのスタートになります。

ヘルニアは非常に進行が早いため、麻痺などの症状が出た場合は「できるだけ早期に治療を開始すること」がその後の回復可能性を広げるために極めて重要です。少しでも様子がおかしいと感じたら、一日でも早く専門の医療機関にご相談いただくことを強くおすすめします。

また、回復のスピードはわんちゃんの体質や症状の重さによって本当に様々です。数回の治療で劇的に歩けるようになる子もいれば、モモカちゃんのように数ヶ月かけて一歩一歩じっくりと階段を上るように良くなっていく子もいます。特に深い部分の神経にアプローチする場合は、反応が出るまでにある程度の時間がかかるケースが少なくありません。インターネット上の劇的な改善例だけを見て「うちの子は治らないのかも」と焦ってしまわずに、辛抱強く、根気強く向き合ってあげることが何より大切です。

当院では、一般的な西洋医学の化学療法はもちろん、ホモトキシコロジーなどの自然療法を組み合わせることで、単に病気を抑え込むだけでなく、わんちゃんのQOL(生活の質)を高め、負担のない心地よい暮らしを送れるような治療に注力しています。

「大切な愛犬に痛い思いをさせたくない」「手術を回避できる可能性を模索したい」とお悩みの飼い主様は、ぜひ一度全国から多くの患者様が来院される当院にご相談ください。わんちゃんの状態とペースに合わせて、一番優しい方法を一緒に考えていきましょう。

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